会場費用を WordPress Community Support に補助してもらう方法

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チップスカテゴリーの記事は、各地域の WordPress Meetup を運営する共同オーガナイザーに向けた、運営に関するノウハウを共有するために書かれたものです。一般のユーザーの方には活用いただけない情報となる場合が多くなります。予めご了承ください。

WordPress Meetup を開催するために、無償で利用できる会場が確保できなかった場合(=利用料が必要な会場しか確保できない場合)、後日 WordPress Community Support に必要書類とともに申請をすることで、会場費用を全額補助してもらうことができます。

こちらのページでは、イベント開催後に WordPress Community Support へ会場費用を請求する方法を分かりやすく紹介しています。運営されている WordPress Meetup で参加費を徴収せずに開催されたい共同オーガナイザーさんには参考にしていただけるかと思います。

海外送金等に伴うPayPalユーザー規約の改訂」に伴い、海外からの送金を受領するためには、PayPal アカウントにマイナンバーの登録が必要となっています。銀行口座への送金ではなく PayPal アカウントへの海外からの送金してもらう方法を考えている方はあらかじめ対応しておきましょう。

必要な書類と主な流れ

必要な書類は以下の2点だけです。

  • 会場費用を支払った際の領収書 PDF or JPEG など
  • 請求書

請求するための主な流れは以下のようになります。

  1. (最初のみ)こちらのフォームから会場の申請を行う
  2. 必要書類(上記)を用意する
  3. WordPress Community Support へ必要書類をメールに添付して送信

このような流れになります。1. は最初の1回だけで大丈夫なはずです。2回目移行は必要書類をメールで送信するだけで対応いただけます。

では、詳しく紹介していきます。

会場を申請する

まずは初回のみ、利用する会場を申請する必要があります。こちらのページの下部に送信フォームがあるので、そちらから情報を送信します。

しかし、英語でわかりにくいですよね。どんな情報を入力する必要があるのか、簡単に紹介します。

Name

申請をする方の名前

Email

申請をする方のメールアドレス

Your meetup group

申請を行うイベントを開催する WordPress Meeuup グループのURL
(例:https://www.meetup.com/ja-JP/Gifu-WordPress-Meetup/

How many people will be at the average meetup event in this venue?

この会場で開催されるMeetupに参加する平均人数

Why are you leaving the previous venue (if there was one)?

(以前使っていた会場があった場合)以前の会場から離れる理由は何ですか?

初めて申請する場合には「この会場は以前から利用していますが、今回が初めての承認申請です。We have been using this venue for some time, but this is our first application for approval.」という感じで入力しておけば大丈夫だと思います。

Have you announced to the meetup group that you are looking for a new venue?

新しい会場を探していることを WordPress Meetup グループで発表しましたか?

  • Yes, I have emailed all the members of our group
    → グループのメンバー全員にメールを送信しました
  • I mentioned it an in-person event but did not email the whole group
    → 対面イベント内では伝えましたが、グループ全体にはメールしていません
  • I asked a handful of people but did not do a formal announcement request
    → 少数には尋ねましたが、正式な発表はしていません

恐らくこちらは「事前に他に無償で利用できる会場を探すアプローチを取ったかどうか」の確認だと思います。

当然ですが、他に無償で利用できる会場がある場合には、そちらを活用した方が WordPress Community Support の予算を使わずに済むので、ある場合はそちらをまずは検討した方が良いでしょう。

まだ確認していない場合には、グループメンバー全員に期日を設けて尋ねてみたり、イベント内で話し合いを行っても良いでしょう。

What are your requirements in a new venue?

新しい会場にした理由は何ですか?(申請する会場を利用する理由を入力しましょう)

Proposed venue information (name, address, url, cost, etc)

会場の情報を入力します。

  • 会場名称
  • 住所
  • あれば URL
  • 費用(複数の会議室がある場合には、利用が想定される会議室全ての費用を掲載しておくと良いかと)

実際に申請を行った情報と違いはないか確認することもあると思うので、正確な情報を入力するようにしましょう。

必要書類を用意する

上記したように必要書類は2点、会場費用を支払った領収書 と 請求書(英語)です。こちらの用意の方法をご紹介します。

領収書の用意

領収書は内容がはっきりとわかる状態であれば、スマホなどで撮影したものでも大丈夫かもしれません。心配であれば WordSlack などで質問されると良いでしょう。

Gifu WordPress Meetup の場合は、ドキュメントスキャナ(ScanSnap)で読み込んだり、スキャナが付いているプリンターでスキャンしたりしてPDFや画像ファイルにしています。申請するときにまとめてやっています。

こんな感じでスキャンしています。

請求書(英語)

ここが一番ネックになってくると思います。が、僕が使っている請求書テンプレを共有しておくので、よしなに改変して利用してください。

シートを複製していくことで履歴を残すこともできるので便利ですよ。

内容はこのようになっています。

①請求書情報

Invoice #(請求書番号)と Invoice Date(請求年月日)を入力します。

2023年3月1日の場合、1/3/2023 となります。

②請求者情報

請求する人の名前を入力します。僕の場合は、Koji Kuno を入力します。

その下に、どこの WordPress Meetup なのかを記載します。僕の場合は Gifu WordPress Meetup と入力しています。

③請求金額合計

請求する金額の合計を税込額で入力します。

④請求の内訳

請求の内訳を記載します。

  • Date:イベント開催日
  • Item:開催イベント名(例:開催したイベント名 + venue fee
  • Unit Price:1時間あたりの費用
  • Qty:利用時間数
  • Subtotal:小計

あくまでも一例です。Unit PriceQtyという形で絶対というわけではないと思います。

⑤振込先情報

振込先の銀行口座情報を入力します。岐阜の場合は、当初ゆうちょ銀行などでも試しましたが、なかなか上手く処理されなかったため、PayPal アカウントを利用しています。

その場合、

  • Paypal に登録しているメールアドレス
  • PayPal アカウント名

を記載するだけで対応いただけます。スムーズな対応をいただくために、請求者のアカウントが望ましいでしょう。

こちらの請求書(invoice)をPDFで書き出して A4 サイズ程度になるように調整しておきましょう。

メールで必要書類を添付送信する

WordPress Community Support support@wordcamp.org宛にメールにて必要書類を送信します。

文面は日本語でも対応していただけますので、僕はテンプレでこんな感じで送っています。

WordPress Community Teamのみなさま

Gifu WordPress Meetup 共同オーガナイザーの久野です。お世話になっております。
添付のご請求書ならびに納付書控えのように開催させていただきましたWordPress Meetupの会場費用をご請求させていただきます。

不備ございましたらお教えいただければ幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。


Koji Kuno
Gifu WordPress Meetup

請求をするすべての領収書と請求書のデータ添付は忘れずに。

なぜ参加費用を徴収しない方が良いのか

個人的な認識ですが、

  • WordPress Community としては WordPress Meetup における参加費用をできれば徴収しない形を推奨している
    →共同オーガナイザー・オリエンテーションなどでも、この旨の情報共有があった記憶
  • 参加費用が必要ないことで、より多くの参加者を迎え入れることができる可能性がある
  • 必要な会場費用分を正確に折半し徴収することが難しい(=面倒)ので余剰金が発生してしまう
    → WordPress Meetup としては余剰金や預かり金が発生することは推奨していない記憶
  • 会場費用のために徴収する際に領収書の用意など手間がかかる
    → 領収書の用意は必須ではないが、民法によると支払者が領収書を求められた場合には応じる義務が発生するため事前に用意しておくことも検討しないといけなくなる(らしい)

といった理由から、参加者から会場費のために参加費を徴収することを、Gifu WordPress Meetup では旧 WordBench岐阜 から移行した後からは行わないように変更しました。(それ以前は、収支を全て管理して公開していました)

これらお金に関わる対応が不明瞭であったりすると、信頼性にも関係してしまいます。(し、そもそもコミュニティ側は徴収しない方向を推奨しているので)

また、上記した(3)や(4)に関しては、明瞭にするためには別途収支公開が必要となったり、領収書の事前準備などが必要となってくることがあります。

ですので、それらの対応とこちらで紹介した方法での後日請求を天秤にかけたとしても、個人的には後者を選択した方が良いかなと感じました。(金銭に不明瞭な点があって突っ込まれるのは面倒だし、疑われるような点を持ちたくないというのが個人的な考え方なので)

ぜひ、こちらで紹介した方法を参考にしていただき、多くの参加者が気軽に参加できる環境を作ってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

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久野 晃司

岐阜県岐阜市在住のフリーランスWeb制作者です。WordPressを取り扱う仕事も多くあり、WordPressプレミアムテーマ Snow Monkey エキスパートとしても活動しています。

Gifu WordPress Meetup 共同オーガナイザー/CoderDojo岐阜チャンピオン/岐阜市登録市民団体Shift代表